人参のドレッシングについて
千葉県山武市の畑では、
二期作ができるので、春夏用と、秋冬用で人参が栽培・収穫できます。
人参ドレッシングを作るきっかけ、その過程のお話を伺いました。
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おいしい野菜、野菜そのものの味がする野菜を作りたいという想いで作っています。
そして、農薬を使っていないからこそ安心してできる、そんな畑づくり・農家でありたいと思っています。
子どもを身籠ってから農業に携わったので、子どもが畑で引っこ抜いた野菜をその横で親がちょっと土をこすり払ったものを子供がかじって畑のお野菜をバリバリと食べて、畑も子どもも育っていくという想いです。
最近の気候変動によって、今の気温では作りにくい品種は消えていきます。
反対に作りやすくて食べやすいものは新しい品種として出てきます。
人参だけでもたくさんの品種があります。
品種を選ぶポイントとしているのはまずはその“美味しい”です。その野菜そのものの味がするもの。
寒暖差によっても種類は変わります。
私たちは、人参そのもののコクが感じられるうえで、春夏用は、その中でも特にサラダに合うような品種を選び、秋冬用では煮物にするとしっかり味がして、甘めな品種を選んでいます。
無農薬で栽培するので、皮を剥かずに食べてほしいですね。
なぜなら、土の栄養をしっかりと持っている野菜の皮とその付近の栄養価はとっても高いから。
安心して食べてもらうためには無農薬での製造しよう!という流れで農薬や化学肥料を使わずに作っていますから。
シンプルに「おいしい」野菜を収穫した中でも形の良いものを選び個人宅配しています。
流通を考えると、同じ大きさ、形である必要があります。
サイズがバラバラだと、箱に詰めた際に空間が出来て輸送中に揺れて当たって、野菜が傷みますから。
形の良くない人参をどうしようかなぁと思っていたところ、加工をして美味しいドレッシングを作ったら「お野菜にお野菜のドレッシングで頂く!」なんて贅沢なんだろう!!!
と思いました。
こだわって野菜をつくっているからドレッシングにこだわってみたい。
乳化剤も入れず、保存料も入れず、そのままでおいしい!
そんな野菜を食べるドレッシングの試行錯誤を始めました。
ドレッシングをいろいろと作っていく中で、
ドレッシング自体がおいしいから、あまりに美味しくて、ドレッシングだけでも進んでしまう。
ドレッシングだけで食べても良いものを作ってみることにしました。
一般的にドレッシングだけを食べるところを想像すると塩分過多や添加物などが気になるところもありますが、この人参ドレッシングの場合、それ自体に栄養価値がしっかりあるのでどんどん食べてもらえる安心感があります。
いろいろ調合を変えて、たどり着いたのが今の配分です。
オリーブオイルもイタリア産の銘柄指定にしています。
人参のドレッシングとともに、シーズンにはカブや玉ねぎ、ほうれん草をペースト状にしてドレッシングも作ります。
私たちが自らの手で作った野菜。
この野菜の応援団長として、野菜をどうやってみんなに食べてもらえるか、アレンジしていくか、を日々考えています。
この人参ドレッシングは、今まではご縁をいただいたマルシェなどでの限定商品にしていたのですが、おかげさまで「おいしい」の声をたくさん頂戴しました。
ドレッシングに使用しているオリーブオイルの味が人参とミックスしお互いにマッチするのです。
人参ドレッシングは
「にいろ」人参の根っこの部分 と
「わかみどり」 人参の葉っぱの部分 と2種類作っています。
そもそも人参の葉っぱのドレッシングはなかなか作るのが難しいです。
私たちの畑は、無農薬の畑であること、また、にんじんを手掘りしていることで人参が葉っぱのまま、収穫できるのです。
葉っぱは、栄養素もとても高いし、人参の根より香りも豊かです。
それは、太陽のエネルギーもしっかり受け止めているから。
そうわかっていて、人参の葉っぱを食べないわけにはいかないですよね。
一律の箱に入らない野菜を捨てずにおいしいものをおいしい形で食べていただきたい。