太陽のマスタードについて
昔、陰暦の十月亥の日に、新穀でつくったお餅を食べて無病息災や子孫繁栄などを祈る行事があり、宮中からこのお餅が配られる慣わしがありました。
配られたのは、一の亥の日、二の亥の日、三の亥の日。
「太陽のマスタード」は、豊穣に感謝しながら、1年の中で、製造する日を限定して、パワーを込めて、製造を行います。
このマスタードは、完全無農薬・無着色で製造しています。
原材料は、からし菜・バルサミコ酢・はちみつ のみです。
二毛作で作る「からし菜」は、種を脱穀し、製造する分量のみをマスタードへと加工しています。
すべて手作業で行い、その日の湿気や気温によって最適な味になるように調整をしています。
どうぞお肉に、お魚に、ドレッシングに使って召し上がってください。
生産者さんの声
生産者さんから
マスタードを作るきっかけ、その過程でのお話を伺いました。
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野菜を無農薬で生産しているので調味料にもこだわってみたい。
ヨーロッパの文献から からし菜がマスタードになるのは知っていました。
植えたものの成長し、また種を収穫し、というこれまでの「歴史」をここで、農家になったからこそできる自分たちの畑でできるかも。
という思いを秘めながら、日々に忙殺されながら時間が過ぎていきました。
マスタードを作るきっかけは思わぬところで出会いました。
農家になって2年目ごろ、多忙を極めていたころ、からし菜を放置してたら花が咲いてしまいました。
花を咲かせる前に収穫し、また次の作物を植えるのが農家の常識ともいわれていて、このタブーを起こしたのは偶然なのか必然なのか。
この出会いから、挑戦してみようと始めました。
1年目はほんの少しの区画のみで花を咲かせ、種を収穫して、試行錯誤を重ねて、2年目からは種を集めだしました。
無農薬のマスタードを作ってみたら、大のお気に入り
今では、あの出会いに感謝しています。
また、市販のマスタードに入っている乳化剤が苦手で、添加物を除き、かつ「からし菜」をおいしく食べれるマスタードがあるといいなぁとも思っていました。
やってみると試行錯誤の日々です。
たくさんの失敗 酢 酸味が強く苦みが出て、ワインを加えても違う。
リンゴ酢 マスタードの良さが出てこない。
ホワイトバルサミコ酢を使うことでマスタードの色見がナチュラルに出ることがわかりました。
からし種とバルサミコ酢を使うと決めた後は甘さをどうするか。
そのもの自体でも食べてもおいしいマスタードにしたかったので、お砂糖ではなく、ハニーマスタードから思い立ち、はちみつを使うことにした。
1年半以上はかかりましたね。
季節によっては酢の扱いによって苦み・えぐみが出ることもありました。
それぞれの時期によって対応できた、美味しいマスタードができました。
種で植えて、葉っぱでおいしく、花でおいしく、種でおいしく、循環ができる食べ物はなかなか見当たりません。
また、「種」はそのもの自体ですごいパワーを持っていると思うのです。
マスタードはからし菜種を植え、からし菜 として収穫し、からし菜花は食用花として、そしてまた種にしてマスタード。
繰り返し、繰り返し、同じ流れで循環をして、昔から同じサイクルをたどって今も未来に継続していくという事実。
すべての過程で食とつながり、そのサイクルを体感しながら、太陽に感謝し、大地に感謝し、自然とつながるありがたさを体感しながらこのマスタードを生産しています。
洗って、選別、天日干し、工程は手間のかかることばかりで
それぞれは地味ですけど。
今後はバリエーション豊かに
料理への広がりが生まれ、楽しんでほしいです。